演習問題1

(1)分配の法則を使って4をカッコ内の62xの両方に掛けます. 4(62x)=4×6+(4)×(2x)=24+8x ()

(2)同じく分配の法則を使って式を展開します.そして同類項(下の注を参照) どうしをまとめます. x(x+y)(3xy)y=x2+xy(3xyy2)=x2+xy3xy+y2=x22xy+y2 () (注) 式の中で文字の部分が同じ項を同類項といいます.文字式の足し算,引き算はこの同類項どうしで行うことができます.例えば, 2x+xy+5y+4x3xy において,2x4xは文字の部分が同じですから同類項です.またxy3xyも同類項です.5yの同類項はありません.同類項どうしの計算は文字を除いた数字の部分(係数)だけで行います.具体的には, 2x+xy+5y+4x3xy=(2+4)x+(13)xy+5y=6x2xy+5y となります.




演習問題2

(1) 乗法公式1を使います. (x+2)2=x2+22x+22=x2+4x+4 ()

(2) 乗法公式1を使います. (x3)2=x223x+32=x26x+9 ()

補足 ここでは乗法公式1の(ab)2=a22ab+b2を使いましたが,実は乗法公式1の2つの式の違いは本質的ではありません.つまり,乗法公式1は,例えば(a+b)2=a2+2ab+b2だけ覚えていればよく,本問の場合b=3のケースですから, (x3)2={x+(3)}2=x2+2(3)x+(3)2=x26x+9 () となります.
 勘の良い方はうすうすお気付きでしょうが,そうなると実は,乗法公式は4の (ax+b)(cx+d)=acx2+(ad+bc)x+bd だけ覚えていれば十分ということになります.何故というに, a=c=1とすると, (x+b)(x+d)=x2+(b+d)x+bd3  このときさらに,dbのときを考えると, (x+b)(x+b)=x2+(b+b)x+b2=x2+2bx+b21  また,上の乗法公式3でdbのときを考えると, (x+b)(xb)=x2+(bb)x+b×(b)=x2b2乗法公式2 と全て求まってしまいます.このあたりは慣れてくると深く考えずにスイスイ展開できるようになりますから,今は気にしなくてもよいでしょう.

(3) 乗法公式1を使って, (2x+1)2=(2x)2+22x1+12=4x2+4x+1 ()

(4) 乗法公式1を使って, (3x2)2=(3x)223x2+22=9x212x+4 ()

(5) 乗法公式2を使って, (x+2)(x2)=x222=x24 ()

(6) 乗法公式2を使って, (1x)(1+x)=12x2=1x2 ()

(7) 乗法公式3を使って, (x+2)(x+3)=x2+(2+3)x+23=x2+5x+6 ()

(8) 乗法公式3を使って, (x1)(x+4)=x2+(1+4)x+(1)4=x2+3x4 ()

(9) 乗法公式4を使って, (2x+1)(x+2)=(21)x2+(22+11)x+12=2x2+5x+2 ()

(10) 乗法公式4を使って, (x1)(5x2)=(15)x2+{1(2)+(1)5}x+(1)(2)=5x27x+2 ()




演習問題3

(1) 共通因数として3がありますからこれをくくり出します. 3x12=3(x4) ()

(2) 共通因数として2x,または2xがあります.どちらでくくり出しても 構いませんが,ここではとりあえず2xでくくり出しておきます. 2x2+6x=2x(x3) ()

(3) 3つの項に共通な因数はありません.しかし因数分解の公式1が使えます. x2+10x+25=x2+25x+52=(x+5)2 ()

(4) 同じく因数分解の公式1を使います. x26x+9=x223x+32=(x3)2 ()

(5) 因数分解の公式2を使います. x24=x222=(x+2)(x2) ()

(6) 同じく因数分解の公式2を使います. 4x29=(2x)232=(2x+3)(2x3) ()

(7) 因数分解の公式3を使います.まずは定数項(数字だけの項)からみていくのでした. 掛けて10になる組合せは, 1×10,(1)×(10),2×5,(2)×(5) の4通りです.このうち足して7になる組合せは,3つ目の2と5です.よって この2数を使って, x2+7x+10=(x+2)(x+5) ()

(8) 因数分解の公式3を使います.まず掛けて27になる組合せは, 1×(27),(1)×27,3×(9),(3)×9 の4通りです.このうち足して6になる組合せは,3つ目の3と9です.よって, x26x27=(x+3)(x9) ()




演習問題4

基本的にどれも因数分解するだけです.

(1) 共通因数のxでくくり出して, x24x=x(x4)=0 よって, x=0, x4=0 x=0, 4 ()

(2) 因数分解の公式1を使います. x212x+36=0 x226x+62=0 (x6)2=0 よって, x6=0 x=6 ()

補足 2次方程式では重複も含めて必ず2つの解が存在します.本問のケースも, (x6)2=(x6)(x6) よって, x6=0, x6=0 x=6, x=6 となって,2つの解が存在しています.しかし2つのxの値が同じなので,普通は2つとも書かないで1つだけ書きます.このように2つの解が同じとき,解は重解であるといいます.

(3) 因数分解の公式2を使います. x2144=0 x2122=0 (x+12)(x12)=0 x=±12 ()

(4) 因数分解の公式2を使います. 9x21=0 (3x)212=0 (3x+1)(3x1)=0 x=±13 ()

(5) 因数分解の公式3を使います. 掛けて8になる組合せは, 1×8,(1)×(8),2×4,(2)×(4) の4通り.このうち足して6になるのは4つ目の24の組.よって, x26x+8=0 x2+(24)x+(2)(4)=0 (x2)(x4)=0 x=2, 4 ()

(6) 因数分解の公式3を使います.掛けて110になる組合せは, 1×(110),(1)×110,2×(55),(2)×55,5×(22),(5)×22,10×(11),(10)×11 の8通り.このうち足して1になるのは8つ目の1011の組.よって, x2+x110=0 x2+(10+11)x+10(11)=0 (x10)(x+11)=0 x=10, 11 ()

(7) 因数分解の公式が使えそうにないので,解の公式を使います. x=1±1241(3)21=1±1(12)2=1±132 () (8) やはり解の公式を使います. x=(5)±(5)242122=5±2584=5±174 ()