高校数学[総目次]
数学B 第2章 数列
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10. 隣接2項間漸化式その2
10.1 一般型の発展的な考え方
$a_{n+1}=pa_n+q$ 型の一般項は,
\[a_n=Ap^{n-1}+B\]
の形になる.更に $B$ は,特性方程式 $\alpha=p\alpha+q$ の解となるから,残るは $A$ のみ.しかし $A$ は $a_1$ から簡単に求まる.
9.4節の例題($a_1=2,\ a_{n+1}=2a_n+1$ )で考えると, \[a_n=A\cdot2^{n-1}-1\] $a_1=2$ より, \[A\cdot2^0-1=2\ \ \therefore A=3\] よって一般項は, \[\underline{\boldsymbol{a_n=3\cdot2^{n-1}-1}}\]
これを逆手に取って,次のような答案を作ることもできる:
解答例
$x=2x+1$ の解を $\alpha\ (=-1)$ とし,
\[b_n=A\cdot2^{n-1}+\alpha\]
すなわち,$b_n=A\cdot2^{n-1}-1$ を作ると,
\[\begin{align*}
b_{n+1}&=A\cdot2^n-1\\[5pt]
&=2(\underline{A\cdot2^{n-1}-1})+1\\[5pt]
&\ \ \ \ \ \ \ \ (\uparrow\mbox{無理矢理 } b_n \mbox{を作った})\\[5pt]
&=2b_n+1
\end{align*}\]
となって,$\{b_n\}$ は $\{a_n\}$ と同じ漸化式を満たす.(つまり,数列の生成過程が全くの同一であるということ.)
その上,初項まで同じであると,すべての $n$ で $a_n=b_n$ が成り立つ.よって $b_1=a_1$ より,
\[A-1=2\ \therefore A=3\]
故に,$\underline{\boldsymbol{a_n}}(=b_n)\underline{\boldsymbol{=3\cdot2^{n-1}-1}}$
10.2 分数型 $\left(a_{n+1}=\dfrac{pa_n+q}{ra_n+s}\right)$
$\boldsymbol{a_{n+1}=\dfrac{pa_n+q}{ra_n+s}}$ 型の漸化式
解法の手順
(下準備) $x=\dfrac{px+q}{rx+s}$ の解 $\alpha, \beta$ を求める.
↓
$a_{n+1}-\alpha$ または $a_{n+1}-\beta$ を調べる.
↓
逆数をとる.
例題 $a_1=2,\ a_{n+1}=2-\dfrac1{a_n}$ の一般項 $a_n$ を求めよ.
(下準備)
漸化式の右辺を通分すると \[\begin{align*} a_{n+1}&=\frac{2a_n-1}{a_n}\ \gets\ \boldsymbol{a_{n+1}=\dfrac{pa_n+q}{ra_n+s}}\mbox{型}\\[5pt] \to\ \ \ \ \ x&=\frac{2x-1}x\\[5pt] x^2&-2x+1=0\\[5pt] \therefore x&=1\ \ (\mbox{重解}) \end{align*}\] (下準備ここまで)
\[a_{n+1}-1=\left(2-\dfrac1{a_n}\right)-1=\dfrac{a_n-1}{a_n}\] $\therefore a_{n+1}-1=\dfrac{a_n-1}{a_n}\ \cdots$ ①
であり,初項と漸化式よりすべての $n$ で $a_n\neq1$ であるから,$a_n-1\neq0$.
よって,①の両辺の逆数をとって,
\[\begin{align*}
\frac1{a_{n+1}-1}&=\frac{a_n}{a_n-1}\\[5pt]
\therefore \frac1{a_{n+1}-1}&=\frac1{a_n-1}+1
\end{align*}\]
ここで,$b_n=\dfrac1{a_n-1}$ とおくと,数列 $\{b_n\}$ は初項 $\dfrac1{a_1-1}=1$,公差 $1$ の等差数列であるから,
\[\begin{align*}
\frac1{a_n-1}&=n\\[5pt]
\therefore a_n-1&=\frac1n\\[5pt]
\end{align*}\]
\[\therefore \underline{\boldsymbol{a_n=\frac{n+1}n}}\]
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