高校数学[総目次]
数学Ⅰ 第1章 2次関数
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7. 2次方程式の解の配置
7.1 2次方程式の解の配置
方程式の解の配置は目で考えるのが基本
2次方程式の解について,例えば「2つの解がともに正であるための条件」とか,「一方は正で他方は負であるための条件」といったように,方程式の解の性質について問う問題は,しばしば「方程式の解の配置問題」と呼ばれる.こういった問題を考える上での最良の方策は
解を目で捉える
ことである.
方程式の解を目で捉えるとは一体どういうことか?
2次関数 $y=x^2-4x+3$ を例にとろう.このグラフの $x$ 切片,すなわち $x$ 軸と交わる点の $x$ 座標は何であろうか?
$x$ 軸とは $y$ 座標が0である点の集合である.従って関数の $y$ を0とおくと,$0=x^2-4x+3$ 即ち
\[x^2-4x+3=0\]
を $x$ は満たす.これを解くと
\[(x-1)(x-3)=0\ \ \ \ \therefore x=1,\ 3\]
従って $x$ 切片は1と3であることがわかった.
グラフは次のようである:
方程式の実数解と $x$ 切片は完全に対応している
私たちが上の操作でやったことは何だったのだろうか?それは2次関数 $y=x^2-4x+3$ のグラフの $x$ 切片を知るのに
2次方程式 $\boldsymbol{x^2-4x+3=0}$ を解いた
のである.そしてこれは逆に考えることもできて,2次方程式 $x^2-4x+3=0$ の実数解が知りたければ
2次関数 $\boldsymbol{y=x^2-4x+3}$ のグラフの $x$ 切片を見ればよい
のである.このように2次方程式の実数解と2次関数のグラフの $x$ 切片は完全に対応しているのであって,従って2次方程式の実数解の配置を考えるには,2次関数のグラフの $x$ 切片がどうなっているかを考えればよいのである.これが
解を目で捉える
の正体である.例えば両方の解が正であるという条件は,グラフが $x$ 軸の正の部分と2点で交わる条件を求めればよい.このような同値な言いかえによって,視覚的に捉えていくことが肝要である.
7.2 いくつかの例
以下では2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ (ただし $a>0$) の左辺を $f(x)$,判別式を $D$ とする.この2次方程式の2解について,様々な設定下での条件を考えていこう.
[1] ともに $p$ より大きい
次の3条件を課せばよい:
① (軸)$>p$
② $D\geqq 0$
③ $f(p)>0$
補足
上の3条件のどれ1つとして欠けてはならない.実際に次の図からそれを確かめておこう.
①の (軸)$>p$ だけを満たさない
②の $D\geqq 0$ だけを満たさない
③の $f(p)>0$ だけを満たさない
[2] ともに $p$ より大きく $q$ 未満
次の4条件を課せばよい:
① $p<$(軸)$< q$
② $D\geqq 0$
③ $f(p)>0$
④ $f(q)>0$
[3] 一方が $p$ より大きく,他方が $p$ 未満
次のたった1つの条件を課せばよい:
① $f(p)< 0$
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