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1. 2次関数のグラフ | [無料] | [会員] | |
2. 関数のグラフの移動 | [無料] | [会員] | |
3. 2次関数の最大・最小 | [無料] | [会員] | |
4. 2次関数の決定 | [無料] | [会員] | |
5. 2次関数のグラフと方程式 | [無料] | [会員] | |
6. 2次不等式とグラフ | [無料] | [会員] | |
7. 2次方程式の解の配置 | [無料] | [会員] |
演習問題
基礎から応用・発展まで幅広く問題を取り揃えました.最後の問題12だけは考えにくい難問で,東大に合格するような人の中でも解けるのは3人に1人もいないのではないでしょうか.
問題1【基本】
次の2次関数に最大値,最小値があればそれを求めよ.最大値または最小値をとるときの $x$ の値もあわせて求めよ.
(1) $y=x^2-4x+5$ (2) $y=-2x^2+4x$
問題2【基本】
次の2次関数に最大値,最小値があればそれを求めよ.最大値または最小値をとるときの $x$ の値もあわせて求めよ.
(1) $y=x^2-4x+5$ $(0\leqq x\leqq 1)$
(2) $y=-2x^2+4x$ $(-1< x\leqq 2)$
問題3【標準】
$a$ は正の定数とする.$0\leqq x\leqq a$ における関数 $f(x)=x^2-2x$ について,次の問いに答えよ.
(1) 最小値及び最小値をとるときの $x$ の値を求めよ.
(2) 最大値及び最大値をとるときの $x$ の値を求めよ.
問題4【標準】
$a$ は定数とする.$0\leqq x\leqq 2$ における関数 $f(x)=x^2-2ax$ について,次の問いに答えよ.
(1) 最小値及び最小値をとるときの $x$ の値を求めよ.
(2) 最大値及び最大値をとるときの $x$ の値を求めよ.
問題5【標準】
$a$ は定数とする.$a\leqq x\leqq a+2$ における関数 $f(x)=x^2-2x$ について,次の問いに答えよ.
(1) 最小値及び最小値をとるときの $x$ の値を求めよ.
(2) 最大値及び最大値をとるときの $x$ の値を求めよ.
問題6【標準】
$k$ は定数とする.$x$ の2次関数 $y=x^2-4kx+3k^2+4k+7$ の最小値を $m$ とする.
(1) $m$ を $k$ の式で表せ.
(2) $m$ の最大値と,最大をとるときの $k$ の値を求めよ.
問題7【標準】
関数 $f(x)=x^2-2kx+k^2+2k\ (0\leqq x\leqq2)$ の最小値が3となるような定数 $k$ の値を求めよ.
問題8【標準】
関数 $f(x)=ax^2-2ax+b\ (0\leqq x\leqq2)$ の最大値が7,最小値が2となるとき,定数 $a,\ b$ の値を求めよ.
問題9【発展】
$x\geqq0,\ y\geqq0,\ x+y=2$ のとき,$xy$ の最大値と最小値を求めよ.また,最大値・最小値をとるときの $x,\ y$ の値もあわせて求めよ.
問題10【発展】
$x,\ y$ の関数 $P=x^2-2xy+2y^2-2x-2y+6$ の最小値を求めよ.また,最小値をとるときの $x,\ y$ の値もあわせて求めよ.
問題11【発展】
(1) 関数 $y=x^2-2x\ (0\leqq x\leqq3)$ の最大値,最小値を求めよ.
(2) 関数 $(x^2-2x)^2-2(x^2-2x)+5$ $(0\leqq x\leqq3)$ の最大値と最小値を求めよ.
問題12【難】
関数 $f(x)=|x^2+ax+b|$ $(-1\leqq x\leqq1)$ の最大値は $\dfrac12$ 以上であることを示せ.
2次関数の最大・最小問題を解くときにはいつでもグラフをイメージしながらが考えることが大切です.まずは
下に凸か,上に凸か
です.これがわかったら
軸に関して対称
であることを常に意識しながら考えていきます.
解答
(1) $y=x^2-4x+5$ の2次の係数は1で正の数ですから,グラフは下に凸です.平方完成すると\[y=(x-2)^2+1\] 従って
最大値は ない
最小値は $x=2$ で1
(2) $y=-2x^2+4x$ の2次の係数は $-2$ で負の数ですから,グラフは上に凸です.平方完成すると\[y=-2(x-1)^2+2\] 従って
最大値は $x=1$ で2
最小値は ない
問題となっている関数は問題1と同じです.問題1では定義域が実数全体の場合で,2次の係数が正だと最小値は存在しますが,最大値の方はいくらでも大きくなるため存在しませんでした.問題2では定義域に制限があり,この場合ですと最大値と最小値を共に持つ可能性があります.ここでもグラフをイメージすることが欠かせません.まずは
軸が定義域に含まれるかどうか
です.
①YES → 軸のところで最大or最小
②NO → 定義域の両端のところで最大と最小
更に①では定義域の両端での値の大小を判定しますが,その際の視点は
どちらがより軸から遠いか
です.
(2)では区間の片方の端である $-1$ が定義域に含まれていないことに注意しましょう.
解答
(1)
問題1より $y=x^2-4x+5=(x-2)^2+1$.従ってグラフの軸は直線 $x=2$ です.これは定義域 $0\leqq x\leqq1$ に含まれませんから,定義域の両端である 0 と 1 のところで最大値と最小値をとります.グラフが下に凸ですから,軸から最も遠い 0 のところで最大となり,軸に最も近い $x=1$ で最小となります.答えは
$x=0$ で最大値5
$x=1$ で最小値2
となります.
(2)
問題1より $y=-2x^2+4x=-2(x-1)^2+2$.従ってグラフの軸は直線 $x=1$ です.これは定義域 $-1< x\leqq2$ に含まれますから,グラフが上に凸であることに注意すると,軸のところで最大となります.一方最小の方は,定義域の両端である $-1$ と2が候補になり,軸からより遠いのは $-1$ の方です.従って $x$ の値が軸から $-1$ に近付くにつれどんどん値が小さくなっていきますが,肝心の $-1$ そのものは定義域に含まれていません!従って答えは
$x=1$ で最大値2
最小値は ない
となります.
定義域の左端は0に固定されています.右端の $a$ が大きくなるについて,定義域の幅が広がっていきます.2次関数のグラフ方は座標平面上に固定されています.考え方はこれまでと同じで
①下に凸か,上に凸か
②軸は定義域に含まれているか
③軸からより遠い(近い)のはどこか
をグラフとともにイメージすることです.