スライド ノート 問題
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演習問題

問題1【基本】
 放物線 $y=2x^2+8x+5$ を $x$ 軸方向に $-1$,$y$ 軸方向に $-2$ だけ平行移動して得られる放物線の方程式を求めよ.

問題2【基本】
 ある放物線を $x$ 軸方向に2,$y$ 軸方向に3だけ平行移動すると,放物線 $y=2x^2-4x+1$ が得られた.元の放物線の方程式を求めよ.

問題3【基本】
 2次関数 $y=x^2-6x+7$ のグラフを,次の(1)~(3)に関して対称移動した曲線をグラフにもつ2次関数を求めよ.
(1) $y$ 軸 (2) $x$ 軸 (3) 原点

問題4【基本】
 放物線 $y=ax^2+bx+c$ を,$x$ 軸に関して対称移動し,更に $x$ 軸方向に $-3$ だけ平行移動すると,放物線 $y=-2x^2-4x+1$ が得られた.定数 $a,b,c$ の値を求めよ.

問題1【基本】

 放物線 $y=2x^2+8x+5$ を $x$ 軸方向に $-1$,$y$ 軸方向に $-2$ だけ平行移動して得られる放物線の方程式を求めよ.

 図形の平行移動においては,移動前と移動後の図形は合同です.従って2次関数のグラフについていうと,平行移動の前と後では

2次の係数が同じ

になります.2次の係数というのは $y=ax^2$ であれば「$a$」のことです.この値こそが2次関数のグラフの形を決定づけるのでした.2次の係数が同じならば,$y=ax^2+10x+100$ だろうが,$y=ax^2-\dfrac75x-\dfrac38$ だろうが,どんなものであってもグラフは合同であって,ただ $y=ax^2$ のグラフを平行移動したものと考えることができるのです.ついでですが,2次の係数が符号違いの $-a$ であっても,凸性は異なるもののグラフは合同です.

合同とは平行・回転・対称移動(ひっくり返す)等でピッタリと重なる図形のことをいうのでした.

 この問題では2次の係数がすべて2ですから,関数 $y=2x^2$ のグラフを平行移動したものだと考えることができます.

 2次関数のグラフの平行移動の問題へのアプローチの方法としては次の2つがあります.
 ① 頂点の移動を捕捉する.
 ② $y-q=f(x-p)$ を利用する.
 ②の方がやや程度が高いですが,2次関数のグラフに限らず,あらゆる図形の平行移動で使えるのが②の方法です.

解答

やり方①【頂点の移動を捕捉】

 与式を平方完成すると

\[\begin{align*}
y&=2x^2+8x+5\\[5pt]
&=2(x^2+4x)+5\\[5pt]
&=2\{(x+2)^2-2^2\}+5\\[5pt]
&=2(x+2)^2-8+5\\[5pt]
&=2(x+2)^2-3
\end{align*}\]

 従って頂点の座標は $(-2,\ -3)$ です.この頂点を $x$ 軸方向に $-1$,$y$ 軸方向に $-2$ だけ平行移動すると,点 $(-3,\ -5)$ に移ります.これが移動後の頂点です.平行移動では2次の係数に変化がありませんから,求める放物線の方程式は $y=2\{x-(-3)\}^2-5$,すなわち\[y=2(x+3)^2-5\]

やり方②【$y-q=f(x-p)$ を利用】

  $x$ 軸方向に $-1$,$y$ 軸方向に $-2$ だけ平行移動するとき,公式 により $x$ と書かれた部分を $x-(-1)$ に,$y$ と書かれた部分を $y-(-2)$ に置き換えればよいのですから,求める方程式は


\[\begin{align*}
y+2&=2(x+1)^2+8(x+1)+5\\[5pt]
y+2&=2(x^2+2x+1)+(8x+8)+5\\[5pt]
\end{align*}\]

 展開して整理しますと\[y=2x^2+12x+13\]

補足 やり方①も展開すると同じ式になります.

問題2【基本】

ある放物線を $x$ 軸方向に2,$y$ 軸方向に3だけ平行移動すると,放物線 $y=2x^2-4x+1$ が得られた.元の放物線の方程式を求めよ.

 逆モーションで考えれば問題1と同じです.

解答

 放物線 $y=2x^2-4x+1$ を $x$ 軸方向に $-2$,$y$ 軸方向に $-3$ だけ平行移動すると,元の放物線が得られます.

やり方①【頂点の移動を捕捉

 $y=2x^2-4x+1$ を平方完成すると