高校数学[総目次]
高校数学ワンポイント
スライド | ノート | |
1. ファクシミリの原理 | [会員] | |
2. バウムクーヘン分割 | [会員] | |
3. 円と放物線 | ||
4. 垂線の長さ | ||
5. 不定方程式 | ||
6. 関数の連続性は導関数に遺伝するか | ||
7. 極方程式における r の正負について | ||
8. 極座標表示における扇形分割積分 | ||
9. 素因数分解の一意性 | ||
10. 三角関数の不定積分 | ||
11. コーシー・シュワルツの不等式 | ||
12. 放物線と2接線で囲まれた部分の面積 | ||
13. 整式の除法(発展編) | ||
14. 3次関数のグラフの特徴 | ||
15. 曲線の長さを求める公式の証明について | ||
16. もう迷わない!必要条件・十分条件のくすっと笑える判定方法 | ||
17. 同じものを含む円順列の考え方 | ||
18. f(f(x))=x の形をした関数方程式の取り扱い方 | ||
19. パラメータが2次で表された直線の通過領域 | ||
20. 四面体の面上及び内部を表すベクトル |

10.三角関数の不定積分
このページにおいて,C はすべて積分定数であるとし,その断りを省略します.
まず最も基本的な3つです.
[1] ∫sinxdx=−cosx+C[2] ∫cosxdx=sinx+C[3] ∫tanxdx=−log|cosx|+C
[1],[2]は使用頻度が抜群で,忘れる人は少ないと思います.[3]も右辺を微分すれば正しさが確認できます.導出についてはこちらをご覧ください.
ここではこれらに加えて2乗と3乗,及び1乗の逆数と2乗の逆数の積分について確認しておきます.難しいのはなんといっても[10]と[11]です.
[4] ∫sin2xdx=x2−14sin2x+C[5] ∫cos2xdx=x2+14sin2x+C[6] ∫tan2xdx=tanx−x+C[7] ∫sin3xdx=−cosx+cos3x3+C=−3cosx4+cos3x12+C[8] ∫cos3xdx=sinx−sin3x3+C=sin3x12+3sinx4+C[9] ∫tan3xdx=12cos2x+log|cosx|+C[10] ∫1sinxdx=12log1−cosx1+cosx+C[11] ∫1cosxdx=12log1+sinx1−sinx+C[12] ∫1tanxdx=log|sinx|+C[13] ∫1sin2xdx=−1tanx+C[14] ∫1cos2xdx=tanx+C[15] ∫1tan2xdx=−1tanx−x+C
証明
[4] 半角公式により,sin2x=1−cos2x2.
∴∫sin2xdx=∫1−cos2x2dx=x2−14sin2x+C.
[5] 半角公式により,cos2x=1+cos2x2.
∴∫cos2xdx=∫1+cos2x2dx=x2+14sin2x+C.
[6] 1+tan2x=1cos2x により,tan2x=1cos2x−1.
∴∫tan2xdx=∫(1cos2x−1)dx=tanx−x+C.
※[14]を用いました.
[7]
∫sin3xdx=∫(1−cos2x)sinxdx=∫(sinx−cos2xsinx)dx=∫{sinx+cos2x⋅(cosx)′}dx=−cosx+cos3x3+C
[別の導出法]
3倍角の公式から
sin3x=3sinx−4sin3x
∴sin3x=14(3sinx−sin3x)
よって
∫sin3xdx=14∫(3sinx−sin3x)dx=14(−3cosx+13cos3x)+C=−3cosx4+cos3x12+C
補足
見かけ上異なる2つの表現になりましたが,sin の3倍角の公式 sin3x=3sinx−4sin3x によって片方の式から他方の式を導くことが可能です.三角関数の積分はしばしば複数の表現をとることがあります.
[8]
∫cos3xdx=∫(1−sin2x)cosxdx=∫{cosx−sin2xcosx)dx=∫{cosx−sin2x⋅(sinx)′}dx=sinx−sin3x3+C
[別の導出法]
3倍角の公式から
cos3x=4cos3x−3cosx
∴cos3x=14(cos3x+3cosx)
よって
∫cos3xdx=14∫(cos3x+3cosx)dx=14(13sin3x+3sinx)+C=sin3x12+3sinx4+C
[9]
∫tan3xdx=∫tan2x⋅tanxdx=∫(1cos2x−1)tanxdx=∫(sinxcos3x−tanx)dx=∫{−(cosx)′cos3x−tanx}dx=12cos2x+log|cosx|+C
[10] 1sinx=sinxsin2x(この変形が決定的)
=sinx1−cos2x=sinx(1+cosx)(1−cosx).
ここで,
1(1+cosx)(1−cosx)=12(11+cosx+11−cosx)
により
∫1sinxdx=12∫(sinx1+cosx+sinx1−cosx)dx=12∫(−(1+cosx)′1+cosx+(1−cosx)′1−cosx)dx=12(−log|1+cosx|+log|1−cosx|)+C=12log1−cosx1+cosx+C
※最後のところで置換積分法の公式を使いました.
[11] 1cosx=cosxcos2x(この変形が決定的)
=cosx1−sin2x=cosx(1+sinx)(1−sinx).
ここで,
1(1+sinx)(1−sinx)=12(11+sinx+11−sinx)
により
∫1cosxdx=12∫(cosx1+sinx+cosx1−sinx)dx=12∫((1+sinx)′1+sinx+−(1−sinx)′1−sinx)dx=12(log|1+sinx|−log|1−sinx|)+C=12log1+sinx1−sinx+C
※最後のところで置換積分法の公式を使いました.
[12] x≠π2+nπ (nは整数) のとき,1tanx=cosxsinx.
∴∫1tanxdx=∫cosxsinxdx=∫(sinx)′sinxdx=log|sinx|+C.
[13] これまでのように,左辺を変形して右辺を導くという形式ですっきりとしたものを見たことがありません.教科書では,右辺を微分して左辺の被積分関数を導くという説明で,それが最も早わかりです.囲み枠ありの重要公式として挙がっている式でもあるので,記憶して使えるようにしておくしかなさそうです.
[14] は [13] と同様に,右辺を微分して確認します.
[15] 1tan2x=cos2xsin2x=1−sin2xsin2x=1sin2x−1.
∴∫1tan2xdx=∫(1sin2x−1)dx=−1tanx−x+C.
※[13]を用いました.
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