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高校数学[総目次]
数学Ⅲ 第4章 複素平面
4. ド・モアブルの定理
4.1 ド・モアブルの定理とは
極形式の節で学んだように,極形式で表された2つの複素数
z1=r1(cosθ1+isinθ1), z2=r2(cosθ2+isinθ2)
について,
z1z2=r1r2{sin(θ1+θ2)+isin(θ1+θ2)}
となるから,z=cosθ+isinθ のとき,
z2=cos(θ+θ)+isin(θ+θ)=cos2θ+isin2θz3=z2⋅z=cos(2θ+θ)+isin(2θ+θ)=cos3θ+isin3θ
また,
1z=cos0+isin0cosθ+isinθ=cos(0−θ)+isin(0−θ)=cos(−θ)+isin(−θ)1z2=cos0+isin0cos2θ+isin2θ=cos(0−2θ)+isin(0−2θ)=cos(−2θ)+isin(−2θ)1z3=cos0+isin0cos3θ+isin3θ=cos(0−3θ)+isin(0−3θ)=cos(−3θ)+isin(−3θ)
従って,複素数 z,及び自然数 n に対して,z−n を 1zn,z0=1 と定義すれば,一般に次が成り立つ:
ド・モアブルの定理 n が整数のとき,
(cosθ+isinθ)n=cosnθ+isinnθ
4.2 1の n 乗根
※ 「n 乗根(累乗根)」についての復習はこちら.
1の n 乗根( n 乗すると1になる数)を z とする:
zn=1
すると,|z|n は
|z|n=|zn|=1
であり,|z| は非負の実数であるから,|z|=1.従って,z は複素平面上の原点を中心とする単位円周上の点であるから,極形式で z=cosθ+isinθ とおけて,
zn=1⟺cosnθ+isinnθ=cos0+isin0⟺nθ=0+2kπ (kは整数)⟺θ=2kπn
cos と sin の周期は 2π であるから,z=cos2kπn+isin2kπn (k は整数)のうち,異なるものは
k=0,1,2,⋯,n−1
の n 個である.
まとめ 1の n 乗根は次の n 個: cos2kπn+isin2kπn(k=0, 1, 2,⋯, n−1)
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