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高校数学[総目次]
数学Ⅲ 第4章 複素平面
スライド | ノート | |
1. 複素平面 | [会員] | |
2. 複素数が表す図形 | [会員] | |
3. 極形式 | [会員] | |
4. ド・モアブルの定理 | [会員] | |
5. 複素数と図形 | [会員] |
1. 複素平面
このノートでは特に断らない限り,$a+b\,i$ などと書けば,$a,\ b$ は実数であるとする.また,$z,\ \alpha,\ \beta,\ \gamma$ などの文字を断りなく複素数として記述することがある.
1.1 複素(数)平面とは
複素数 $\alpha=a+bi$ ($a,b$ は実数)について,実部と虚部の組 $(a,b)$ を座標平面上の点の座標と捉え,複素数 $a+bi$ と点 $(a,b)$ を1対1に対応させる:
このように平面上の点が1つの複素数を表す平面を複素数平面,又は複素平面(complex plane)という.高校の教科書では「複素数平面」となっているが,大学においては複素平面,複素解析,複素関数など「数」が入らないことが多い.
複素平面の横軸を実軸,縦軸を虚軸という.
複素数 $\alpha=a+b\,i$ の表す点をAとするとき,この点を A$(\alpha)$ と表す.また,「点 $\alpha$」や「点 $a+b\,i$」などといった呼び方もする.例えば「点 $2+i$」や「点 $2$」,「点 $5\,i$」等々.このような呼び方で原点O(オー)は「点 $0$ (ゼロ)」である.
実軸上の点はすべて実数であり,逆にすべての実数は漏れなく実軸上にある.また虚軸上の点は $0$ を除いてすべて純虚数であり,逆に純虚数はどんなものも虚軸上にある.「数学Ⅱ 複素数と方程式」では実数も複素数の仲間であることを学んだが,複素平面が実軸を含んだものであることから
実数全体の集合は複素数全体の集合の部分集合である
ことが感覚的にも理解し易い.
補足
① このノートでは,複素平面と通常の $xy$ 平面とを区別するために,両軸を $x,y$ ではなく,Re, Im で表す:
② $a+b\,i$ を $<a,b>$ で表せば,複素数の和と実数倍の定義により, \[\begin{align*} <a,b>+<c,d> &=< a+c,b+d>\\[5pt] t<a,b>&=<ta,tb> \end{align*}\] が成り立つ.これはベクトルの成分表示の和,実数倍と完全に同一である.つまり,内積を除くベクトルでの図形的応用は,そのまま複素平面でも使える.
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