数学の学習方法
~本当に不自由なく数学が使えるようになるために~
1.はじめに
皆さんには、数学で分からないことが出てきたとき、すぐに教えてくれる人がまわりにいますか?その人は気軽に質問できる人ですか?疑問が解消されるような説明の仕方をしてくれますか?もしそうなら、とても幸せな環境にいることに感謝しましょう。そしてその環境を大いに利用しましょう。人に教わることほど効率的に学習できる方法は他にありません。
教科書を読んだり授業を聞いたりしただけで粗方理解でき、大学入試レベルの問題を楽しみながら解き進めているような人は、きっと「学び方」などと書かれたこの文章を読んではいないはずです。
- 教科書を読んでもあまりわかった感じがしない。
- たくさん問題を解いているのにテストで点が取れない。
- 問題集の解説を読んでも理解できない部分が多い。
このような悩みを抱えながらも、どうにかして数学ができるようになりたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
2.当教室が推す学習方法
数学に限らず、何かを学ぶ方法というのは十人十色で、この方法が絶対だなどというものは存在しないはずです。従ってここでは数学の学び方の1例として、当数学教室が考える方法を紹介します。と言いましても、斬新な方法を提案できるわけではありません。似たようなことは昔からよく言われ続けていますので、予めご了承ください。
例えば、2次関数の分野を学び始めるとしましょう。あるいは、この分野が苦手なので、1から復習するとしましょう。
まず、教科書を開いてください。そして2次関数の最初の1節を読んでください。学校で配布される数学Ⅰの教科書です。説明を読み、例題とその解説を読みます。このとき、「何故そうなるのか」と問い続けながら読むことが大切です。「何故 $a$ の符号で場合分けをするのか」「何故 $y=a(x-p)^2$ のグラフは $y=ax^2$ のそれを $x$ 軸方向に $p$ だけ平行移動したものとなるといえるのか」などです。そうやって読み進めて理解できない部分がある場合は、何度も読み返すか、誰かに質問するか、参考書など他の書物に当たるか、ネットの情報を検索するかなどしてください。
そうして、その1節が理解できたと思えたなら、次は教科書の傍用問題集を開き、今教科書で理解した1節に対応する部分の問題を実際に解いてみます。易-標準-難とレベル分けされているなら、数学が苦手な方はあまり最初から欲張らず、標準くらいまでできればひとまず合格です。場合によっては易まででもよいでしょう。
問題集の取り組み方は、大問を1つ解き終わるごとに解答冊子を見て丸付けを行います。これは記憶の新しいうちに自分の思考が正しかったかどうかをチェックするためです。丸付けは最後の答えだけでなく、考え方や計算過程、記述の仕方もチェックし、参考になる部分があればノートに赤で追記しておきます。 このチェックが甘いと、分かったつもりになっていたり、「問題集を何周もしているのに試験で点が取れない」となったりするので、しっかりと行ってください。
あとはこれの繰り返しです。
テストで点を取るためには同じ問題集を繰り返しやらなければならないわけですが、3周目以降は問題を読んでもすぐには鉛筆を動かさず、まず頭の中だけで考えてみます。「この問題の方針は何か」、「問題のポイントはどこにあるのか」、こういったことがすぐに思い浮かぶようであれば、思い切ってその問題は解かずに次の問題に移ります。頭の中だけではうまくいかない場合は、ポイントとなる部分だけを書き出して確認するのでよいでしょう。3周目以降は1周に要する時間がどんどん短くなり、理解も定着していきます。
数学が苦手な人のノートに共通する特徴として、独特の書き方をしていて答案が読みにくいということがあります。論理的な説明がなかったり接続詞がなかったりすることに加え、どういう順番で述べるのが適切かということなどが練られていないのが原因でしょう。また計算部分が冗長で読みにくくなっている場合もあります。
そこで数学が苦手な方に強くおすすめしたいのが、教科書、問題集の解答の表現、体裁をできるだけ真似して書くということです。数学の答案は国語の文章と同じで、上から下まで「すとん」と読み通せるものが理想的です。すんなり読み通せるということはその答案の論理展開が明快であるということです。こういった答案を書くことで頭の中を整理していきます。
高校数学の学習方法としては以上となります。
3.ひまわり数学教室の役割
ひまわり数学教室は、数学の学習において、「教科書の理解」をお手伝いすることを主な役割と考えております。その手段として、スライドを用い、一人一人の理解のスピードに合わせた学習を可能とし、また数学の理論的側面の理解に重点をおき、基本事項を定着させ、忘れにくくするようにしています。
次のスライドは、整式の除法の仕方を説明したものです。(画面をクリックすると、スライドが次に移ります。PC環境では全画面表示ができ、大変見やすくなります。)
いかがですか?スライドならば1つ1つの手順が明確で、とても理解がしやすくなります。
スライド一覧は、次の「高校数学」をクリックしてください。
数学は論理展開中心の学問です。数学のあらゆる内容は「何故そうなのか」という質問に対して説明可能です。また説明可能でなければ数学の理論とはなり得ません。参考書は個々の問題に対しての対処法は大変平易に説明されていますが、数学の理論体系を吸収するにはやや不向きな面もあります。理論的な側面が体系的に理解されていないと、問題の設定や表現のわずかな変更でも全く別の問題に感じられて対処できないというケースがかなりあるように思います。本当に数学ができるようになるためにすべきことは、数学の理論面の理解を盤石にすることであり、そしてそれに最適な教材が教科書なのです。教科書に戻って学習するなど遠回りに見えるかもしませんが、数学が苦手な人ほどそうではないというのが当数学教室の考えです。
4.ひまわり数学教室の想定される利用方法
① 数学の独学向けとして
まず教科書を読んで理解します。学校生活においては授業の予習がこれに当たります。次に当数学教室のスライドや、それをまとめたノートを見て、自分の理解を確認したり、修正したりします。学校で授業を受けることがこれに当たります。理解ができたら問題集を使って演習します。
② 苦手分野の克服用として
既に述べたように、数学が不自由なく使えるようになるためには数学の理論的側面を体系的に理解しておく必要があるのですが、数学の教科書をひとりで読み進めていくことは、数学を苦手としている人にとって容易な作業ではありません。しかし書いてあること1つ1つはそれほど理解が困難な内容でないことがほとんどです。当数学教室のスライドで学習することで、越えなければならない山が小さくなり、教科書が読み通しやすくなります。
③ 高校生の日々の予習・復習用として
高等学校に通っている方は、授業の予習として当数学教室のスライドを見て、学校の先生が授業で話すであろう内容の方向性を理解しておくと、授業がぐっと聞きやすくなります。また、授業を聞いたあとの復習用としても、スライド学習なら短時間で行えます。
④ 社会人の方の学習用として
社会人の方が高校数学に興味があって復習されたい場合は、当数学教室のスライドを順に見て確認するだけでも、かなり高度な内容まで理解できると思います。
⑤ 学校の先生方の授業教材として
スライドを併用した授業は、短時間に多くの内容をわかりやすく指導でき、余裕ができた時間で十分な演習をさせるといったことが可能になります。