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高校数学[総目次]

数学Ⅱ 第6章 微分法・積分法

  スライド ノート 問題
1. 微分係数 [無料]    
2. 導関数 [無料]    
3. 接線 [会員]   [会員]
4. 関数の値の変化 [会員]    
5. 極大・極小 [会員]    
6. 関数のグラフと方程式・不等式 [会員]    
7. 不定積分 [無料]    
8. 定積分 [会員]    
9. 様々な定積分 [会員]    
10. 面積 [会員]    

7. 不定積分

7.1 不定積分

 $x^2,x^2+1,x^2-3$ といった関数は,微分するといずれも $2x$ となる.このように,微分すると $2x$ になる関数を $2x$ の不定積分,または原始関数といい,

\[\int 2x\,dx\]

で表す.また,関数 $2x$ の不定積分を求めることを,$2x$ を積分するという.
 先の例からもわかるように,$2x$ の不定積分は1つではなく,一般に $C$ を定数として $x^2+C$ の形の関数はすべて $2x$ の不定積分である.即ち

\[\int 2x\,dx=x^2+C\]

と書ける.定数 $C$ を積分定数という.

まとめ 関数 $f(x)$ について,微分すると $f(x)$ になる関数,すなわち\[F'(x)=f(x)\]を満たす関数 $F(x)$ を,$f(x)$ の不定積分,または原始関数といい,\[\int\!f(x)\,dx\]で表す.  また,$f(x)$ の不定積分の1つを $F(x)$ とすると,\[\int\!f(x)\,dx\!=\!F(x)\!+\!C\ (C\mbox{は定数})\]であり,$C$ を積分定数という.関数 $f(x)$ の不定積分を求めることを,$f(x)$ を積分するという.

 今後,「$C$は積分定数」という断りを省略することがある.

7.2 $x^n$の不定積分

\[\begin{array}{rl} (x)’=1\ \mbox{より} & \displaystyle\int 1\,dx=x+C\\[5pt] \left(\dfrac{x^2}2\right)’=x\ \mbox{より} & \displaystyle\int x\,dx=\dfrac{x^2}2+C\\[5pt] \left(\dfrac{x^3}3\right)’=x^2\ \mbox{より} & \displaystyle\int x^2\,dx=\dfrac{x^3}3+C\\[5pt] &\vdots\\[5pt] \left(\dfrac{x^{n+1}}{n+1}\right)’=x^n\ \mbox{より} & \displaystyle\int x^n\,dx=\dfrac{x^{n+1}}{n+1}+C \end{array}\]

 $n$ が 0 以上の整数のとき,\[\int\!x^n dx=\frac1{n+1}x^{n+1}+C\ \ (C\mbox{は積分定数})\]

7.3 不定積分の性質

 $f(x), g(x)$ の不定積分の1つをそれぞれ $F(x), G(x)$ とする.(即ち,$F'(x)=f(x)$,$G'(x)=g(x)$)
 $k$ を定数として,

\[\begin{align*} \{kF(x)\}’&=kF'(x)=kf(x)\\[5pt] \{F(x)+G(x)\}’&=F'(x)+G'(x)=f(x)+g(x) \end{align*}\]

 よって次が成立:

不定積分の性質\begin{align*} &[1]\ \int\!kf(x)dx\!=\!k\!\int\!f(x)dx\ (k\mbox{は定数})\\ &[2]\ \int\!\{f(x)\!+\!g(x)\}dx\!=\!\int\!f(x)dx\!+\!\int\!g(x)dx \end{align*}

 ($C$ 及び $C_1$ は積分定数とする.)

\[\begin{align*} \int3x\,dx&=3\int x\,dx\\[5pt] &=3\left(\frac{x^2}2+C\right)\\[5pt] &=\frac32x^2+3C_1\\[5pt] &=\underline{\boldsymbol{\frac32x^2+C}} \end{align*}\]

\[\begin{align*} \int(3t^2-4t+1)dt&=3\int t^2\,dt-4\int t\,dt+\int dt\\[5pt] &=3\cdot\frac{t^3}3-4\cdot\frac{t^2}2+t+C\\[5pt] &=\underline{\boldsymbol{t^3-2t^2+t+C}} \end{align*}\]

例題 $f'(x)\!=\!3x^2\!-\!2x\!+\!1, f(1)\!=\!3$ を満たす $f(x)$ を求めよ.

\[\begin{align*} f(x)&=\int f'(x)\,dx\\[5pt] &=\int (3x^2-2x+1)dx\\[5pt] &=x^3-x^2+x+C\ \ (C\,\mbox{は積分定数}) \end{align*}\]  $f(1)=3$ より, \[1^3-1^2+1+C=3\ \ \therefore C=2\]  従って,$\underline{\boldsymbol{f(x)=x^3-x^2+x+2}}$

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