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高校数学[総目次]

数学Ⅱ 第4章 三角関数

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8.1 応用例題1

 $f(\theta)=3\sin\theta\cos\theta+\sin\theta+\cos\theta$ のとき,$f(\theta)$の最大値,最小値を求めよ.

ポイント
 $\sin \theta+\cos\theta=t$ とおく.
  → $\sin\theta\cos\theta$ も $t$ で表せる.

 $\sin\theta+\cos\theta=t$ とおくと, \[\begin{align*} t^2&=(\sin\theta+\cos\theta)^2\\[5pt] &=1+2\sin\theta\cos\theta\\[5pt] &\ (\because \sin^2\theta+\cos^2\theta=1)\\[5pt] \end{align*}\] \[\therefore \sin\theta\cos\theta=\frac{t^2-1}2\] よって, \[\begin{align*} f(\theta)&=3\cdot\frac{t^2-1}2+t\\[5pt] &=\frac32t^2+t-\frac32\\[5pt] &=\frac32\left(t+\frac13\right)^2-\frac53 \end{align*}\]  ここで, \[t=\sin\theta+\cos\theta=\sqrt2\sin\left(\theta+\frac\pi4\right)\] により,$-\sqrt2\leqq t\leqq \sqrt2$ であるから,$f(\theta)$ は,
  $\boldsymbol{t=\sqrt2}$ のとき,最大値 $\boldsymbol{\dfrac32+\sqrt2}$
  $\boldsymbol{t=-\dfrac13}$ のとき,最小値 $\boldsymbol{-\dfrac53}$
をとる.

補足

 最大値や最小値を実現する $\theta$ の値が簡単に求まる場合は,求めておくのが一般的であるが,本問のように最大・最小のどちらか一方でも $\theta$ の値が求まらないケースでは,最大・最小とも $\theta$ までさかのぼらないのが通例である.

最大値

 $t=\sqrt 2$,即ち $\sqrt2\sin\left(\theta+\dfrac\pi4\right)=\sqrt2$ のとき, \[\begin{align*} \sin\left(\theta+\frac\pi4\right)&=1\\[5pt] \therefore \theta+\frac\pi4&=\frac\pi2+2n\pi\ (n\mbox{は整数})\\[5pt] \therefore \theta&=\frac\pi4+2n\pi \end{align*}\] (最大値を実現する $\theta$ を式で表せる.)

最小値

 $t=-\dfrac13$ 即ち $\sqrt2\sin\left(\theta+\dfrac\pi4\right)=-\dfrac13$ のとき, \[\begin{align*} \sin\left(\theta+\frac\pi4\right)&=-\frac1{3\sqrt2}\\[5pt] \therefore \theta+\frac\pi4&=??? \end{align*}\] (最小値を実現する $\theta$ を式で表せない.)

8.2 応用例題2

 $y=2\sin^2x-\sin x\cos x+3\cos^2x$ の最大値,最小値を求めよ.

ポイント
① $\sin^2 \theta,\ \cos^2\theta$ は $\cos2\theta$ の式に.
② $\sin\theta\cos\theta$ は $\sin2\theta$ の式に.

三角関数の合成公式で1つに.

 半角の公式により, \[\begin{align*} \sin^2x&=\frac{1-\cos2x}2\\[5pt] \cos^2x&=\frac{1+\cos2x}2 \end{align*}\]  また,2倍角の公式により, \[\begin{align*} \sin2x&=2\sin x\cos x\\[5pt] \therefore \sin x\cos x&=\frac{\sin2x}2 \end{align*}\]  これらを与式に代入すると, \[\begin{align*} y&=2\cdot\frac{1-\cos2x}2-\frac{\sin2x}2+3\cdot\frac{1+\cos2x}2\\[5pt] &=-\frac12\sin2x+\frac12\cos2x+\frac52\\[5pt] &=\frac{\sqrt2}2\sin\left(2x+\frac34\pi\right)+\frac52 \end{align*}\]

(i) $\sin\left(2x+\dfrac34\pi\right)=1$ のとき \[\begin{align*} 2x+\frac34\pi&=\frac\pi2+2n\pi\ (n\mbox{は整数})\\[5pt] \therefore x&=-\frac\pi8+n\pi \end{align*}\]  このとき, \[y=\frac{\sqrt2}2\cdot1+\frac52=\frac{5+\sqrt2}2\]

(ii) $\sin\left(2x+\dfrac34\pi\right)=-1$ のとき \[\begin{align*} 2x+\frac34\pi&=\frac32\pi+2n\pi\ (n\mbox{は整数})\\[5pt] \therefore x&=\frac38\pi+n\pi \end{align*}\]  このとき, \[y=\frac{\sqrt2}2\cdot(-1)+\frac52=\frac{5-\sqrt2}2\]

 以上により,$n$ を整数として,
  $\boldsymbol{x=-\dfrac\pi8+n\pi}$ のとき,最大値 $\boldsymbol{\dfrac{5+\sqrt2}2}$
  $\boldsymbol{x=-\dfrac38\pi+n\pi}$ のとき,最小値 $\boldsymbol{\dfrac{5-\sqrt2}2}$

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