スライド ノート 問題
1. 座標平面上の点 [無料]    
2. 直線の方程式 [無料]    
3. 円の方程式 [会員]    
4. 円と直線 [会員]    
5. 軌跡と方程式 [会員]   [会員]
6. 不等式と領域 [会員]    

演習問題

問題1【標準】
 実数 $a,b$ が $a^2+b^2+a+b=1$ を満たすとき,点 $(a+b,\ ab)$ はどのような図形を描くか.

問題2【標準】
 原点をOとする.直線 $x+y=5$ 上を動点Pが動くとき,OP・OQ=20 を満たす半直線OP上の点Qの軌跡を求めよ.

問題3【標準】
 点Pから放物線 $y=x^2$ に引いた2本の接線が直交するとき,点Pの軌跡を求めよ.

問題1【標準】

 実数 $a,b$ が $a^2+b^2+a+b=1$ を満たすとき,点 $(a+b,\ ab)$ はどのような図形を描くか.

 「軌跡とは何か.」これをひと言で表すと,「ある条件を満たす図形のことである」と言えるでしょう.例えば「1点からの距離が $r$ である点の集合」という条件を満たす「軌跡」は「その点を中心とする半径 $r$ の円」ということになりますし,「2点A,Bから等しい距離にある点の集合」という条件を満たす「軌跡」は「線分ABの垂直二等分線」ということになりましょう.このように与えられた条件を満たす図形が「軌跡」と呼ばれるものです.
 では具体的にどのように軌跡を求めればよいのでしょうか.これには大きく2つあって,
 ① 条件から軌跡が簡単にわかるもの
 ② 条件から軌跡が簡単にわからないもの
に大別されます.①の方は,先述した円や垂直二等分線のようなものがその例です.そして数学として専ら問われるのは当然②の方で,これをどうやって求めていくかというところに難しさがあります.
 その一つの手立てとして,条件を満たす点の座標を $(x,\ y)$ とおいて,$\boldsymbol{x}$ と $\boldsymbol{y}$ の関係を調べるというのが極めて有効な手法です.例えば,与えられた条件を満たす $x$ と $y$ が $y=2x+3$ という関係を満たしていたとしましょう.するとそれは「傾きが2で $y$ 切片が3である直線」という図形であることがわかります.$y=x^2$ という関係を満たしているならば,それは放物線という図形であることがわかります.このように $x$ と $y$ の関係(方程式)がわかることで軌跡(図形)がわかるのです.
 注意点として,得られた方程式が表す図形全体が求める軌跡であるとは限りません.いわゆる軌跡の限界と呼ばれるものですが,これについては軌跡の問題を考える上で常に気を付けておかなければなりません.

解答

\[\left\{
\begin{array}{l}
x=a+b\\[5pt]
y=ab
\end{array} \right.\ \cdots\text{①}\]

とおくと,条件式 $a^2+b^2+a+b=1$ は $(a+b)^2-2ab+(a+b)=1$ と変形できますから

\[x^2-2y+x=1\]

\[\left(\therefore y=\frac12(x^2+x-1)\ \ \cdots\text{②}\right)\]

と表せます.

(②の関係を満たすすべての点 $(x,y)$ がOKではありません。例えば②上の点として $(1,\frac12)$ がありますが,①より $a+b=1,\ ab=\frac12$ となり,この式を同時に満たす実数$a,b$ は存在しません.実際,$a,b$ は$\dfrac{1\pm i}2$ で虚数です.よって②でOKとなる範囲を調べましょう。)

 一方,①より $a,b$ は解と係数の関係から $t$ の2次方程式 $t^2-xt+y=0\ \cdots$③ の2解となりますから